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DIY 自作と修理


フォードF250 7.3Lディーゼル 冷却水フィルター増設 2014/9/18(木)

さて今回のDIYは、またまたバス釣りやバスボートとも一切関係ない(笑)、ピックアップトラックのネタです。
なぜだか知らないけれど、意外とこのピックアップトラックの整備・改造ネタへのアクセスが非常に多いことに最近気づきました。
アメ車好きの方で検索からお越しの方へ。当サイトはアメリカのバス釣りに関連するサイトでございますので、よろしければバス釣りの記事もついでにご覧いただけると嬉しいです。

では、さっそく本題に入ります。

私のトラック、フォードF250、スーパーデューティー・ディーゼル
写真1 私のトラック、フォードF250 7.3Lスーパーデューティー・ディーゼル


同じ7.3Lのブロックが搭載されている業務用トラック
写真2 同じ7.3Lのブロックが搭載されている業務用トラック

7.3Lインタークーラーディーゼルターボのエンジンは、本来は写真2のような業務用トラックに搭載されていて、該当する期間の年式のフォードFシリーズとブロックのOEM先が同じ。メーカーの枠を越えて、スクールバスなどにも全米規模で採用されていた信頼性の高いエンジンだったが、排ガス規制など世界的なエコの流れに乗れず、惜しまれながらも廃盤となった。

長距離・長期間での使用が前提で設計される業務用トラックにおいては耐久性を考慮したセッティングとなっており、『100万マイル乗れる名作エンジン』とまで絶賛されていたが、全く同じ7.3Lブロックであるはずの自家用車であるフォードのFシリーズピックアップに流用される際には、こっそりと様々なコストカットが施されていた。
そもそも、自家用車メーカーは業務用車ほどまでに長距離・長期間で使われた後のことを心配しなくてよい。
なぜなら、新車の保証期間(10万マイルor5年)さえクリアすればその後は無償修理の面倒を見なくて済む、ぶっちゃけた話「その後はどうなろうが知ったこっちゃ無い」からだ。
フォードというメーカー自体アメリカでは「コストにシビア」なことで有名だ。自家用車の設計において「たった5セントを削るためにパーツOEM先を躊躇なく変更するし、マイナーチェンジの努力も惜しまない」とさえ皮肉られている。かのGMが破綻して国の補助を受けたバブル崩壊時期にも、FORDが倒れることなく資金的に乗り越えられたのは偶然ではないだろう。

実際、業務用搭載の7.3Lディーゼルは100万マイルを超えてもゼンゼン元気で走れるのに、自家用のFシリーズ、Eシリーズに積まれた7300ccディーゼルはノーマルのままで使うと、100万マイルなんてとても持たない。
機械モノだから固体別に当たり外れの誤差はあるだろうと考えても首をかしげる30万マイルから50万マイルという範囲に寿命が落ち着いている(メーカー仕様純正で使い続けた場合)。

業務用なら100万マイル走るのに、なぜ自家用はたった半分の50万がMAXなのか?
同じ共通エンジンブロックを使っているのにここまで差が開くのは、なぜ?…そんな『腑に落ちない疑問』を徹底的に研究したユーザーグループがいて、専門に開設したインターネット上の掲示板で情報交換を行い、仮説から検証、実験、施工、結果の比較テストまでが堂々とユーザーのアマチュア主導で一般公開されていた。さすがはDIY大国のアメリカらしい。

私のF250も購入当初はまだ9万マイルしか走っていない中古だったが、買ったとたんにATが滑って載せ替え。ウォーターポンプから冷却水がダダ漏れ。ブレーキが利かなくなって事故しそうになったりと、踏んだりけったり。
それも、ピッタリ計算したかのように保証期間の切れる10万マイルを越えたあたりからドミノ倒しのように次々と各所が壊れていく様子は、フォードの計算高い設計に心の底から関心さえしたほどだった(苦笑)。

F250 7.3Lのウォーターポンプ
F250 7.3Lのウォーターポンプ


アメリカ南部のド田舎のフォードディーラーは、部品が無い、修理は適当でいい加減、へたくそ、値段(工賃)は高い、と滅茶苦茶で、もう誰が二度とディーラーに修理になんか持っていくか!と切れた私は、工具を少しずつ買い揃えて自分で修理を勉強し始めた。
そんな時期に、情報の仕入れ元であり修理の教科書的な存在となった、前述のネット掲示板は私にとって希望の星だった。(7.3Lが廃盤となってかなり時間のたつ今は、残念ながら掲示板は閉鎖された)

そこで勉強したネタの一つ、「100万マイル走る業務仕様には付いていて、自家用Fシリーズには付いていないモノ」をぜひ皆さん付けましょう、これだけで寿命が少なくとも10万マイルは延びますヨ!というチューニング。
何よりもしょっちゅう交換しなければならなかった冷却水漏れまくりウォーターポンプの寿命が数倍に延びてほぼメンテナンスフリーになるヨ!という書き込みに、私のスイッチは入った。
なぜなら、中古で購入後にウォーターポンプの寿命による水漏れで、ものすごい手間のかかる整備であるウォーターポンプASSY交換を2回も!経験していたからだ。

7.3L業務用トラックには純正で装備されているのに、フォードのFシリーズには省略されていた機構とは…。
それは、クーラント・フィルター(冷却水フィルター)だ。

7.3L業務用トラックのクーラント・フィルター

7.3L業務用トラックのクーラント・フィルター
7.3L業務用トラックのクーラント・フィルター
青サビのように見えるのは防錆剤(水溶性)


7.3Lのエンジンブロックは、製造時に砂型鋳造(詳しくは検索してください)という方法で作られているため、ブロック内の冷却水の通り道である金属の表面に製造時に完全に除去しきれなかった細かい砂がある程度付着してしまう。
バス釣りで言うとハンドポアードワームで下半分にソルトが流し込んである場合、その表面にざらざらと塩が顔を出している、ちょうどああいう状態だと考えてほしい。
エンジンを回すにつれ、冷却水ポンプが作り出す流れによってエンジンブロックからラジエーターへと冷却水はグルグルと循環するわけだが、その冷却水の長期的な流れによって、川が流れると岩がツルツルになるのと同じように、金属とはいえ表面は微妙にホンの少しだけ、滑らかに削れて(というか磨かれて)いく。
その際に、金属表面に埋もれていた砂型鋳造の際の「砂」が、冷却水内に流れ出す。
冷却水の循環と共に、エンジンブロックやラジエーター、ウォーターポンプ内へとその砂が流れていき、接続部品やポンプ内に砂が引っかかる。
そして冷却系の中では最も駆動部品が多いウォーターポンプが、最もダメージを受ける。具体的には、シールと呼ばれる回転部分の外部への水漏れを予防するゴムが、回転する部品に付着した砂によってまるでサンドペーパーで削るかのごとくやられてしまう。
結果、本来のウォーターポンプの寿命よりもはるかに早く、ポンプ交換の時期が来てしまうというわけ。

これこそが、冷却水の中にある砂をはじめとする不純物をろ過するフィルターありの業務用トラックと、最初からフィルターの付いていない(省略設計されている)自家用Fシリーズのスーパーデューティーの寿命を大きく隔てている要因の一つなのだ!
…と偉そうに言ってますが、それを分析したのは前述のユーザーグループの掲示板の方々です、ハイ。そんな貴重な情報を知ることが出来て、インターネットの時代に感謝です。

純正ではFORDのF250には付いていない、冷却水フィルターを新規設置するのが今回のテーマ。フィルターとフィルターを固定するべース本体。同型7.3Lディーゼルエンジンを積んだ、FORDではない某業務用トラックの純正部品。

かなりタイトだが、この狭い範囲(ピンクの枠線内)に自作ブラケットでフィルター本体を固定する計画。冷却水の流れる経路の都合上、設置場所はどうしてもここに付けたい。

このフィルターベース本体は、例の業務用トラックの7.3Lディーゼル(Fシリーズと同型のエンジンブロック)に純正使用されているもの。それを無理やりタイトな場所へねじ込むため、サイズオーバーになってしまう。やむをえず4本中の1本の足を削り落とし、3本足での固定とした(あくまで私流のアイデア)

フィルターを固定するブラケットを作る。余りモノの鉄板が材料。

カット、曲げ、溶接を行い、目的の形状へと…

ブラケットの3歩足に合わせたネジ穴をあけて、つや消しブラックで塗装して自作オリジナルブラケット完成。

ウォーターポンプASSYの本体上部にある、ナゾの「栓」(ピンクの丸線内)。これは、業務用トラックが有している冷却水フィルターへの流出口を「まるでそんなもの元々無かったかのようにごまかす栓」だ。ここから冷却水バイパス用流路を新たに増設し、フィルターへの「支流」を導くことにする。

メインの冷却水がウォーターポンプとラジエーター間を流れる「本流」とも言える純正クーラントホースを取り外す。(黄色い点線の部分)

せっかくここまで分解するので、ついでにウォーターポンプ上部に埋め込まれたサーモスタットも交換しておく。パーツ代は安価であるが、取り替えるとなるとけっこうな手間がかかる。壊れる前に、新品に。備えあれば患え無し。

サーモスタットを抜き取り、冷却水もラジエーター下部のドレンプラグから抜き取った。写真のウォーターポンプ上開口部に、新しいサーモスタットを取り付ける。


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新しいサーモスタットを入れた。この型の7.3LディーゼルV8ブロックにおいて弱点と言える箇所のうちの一つが、このサーモスタットを押さえるホースフィッティングの密閉性。構造上の問題から、ここからの冷却水漏れが頻発しやすい。Oリングのみのシールでは危ういため、液体ガスケットシールをたっぷり塗っておく。

「ナゾの栓」を抜き取って、支流として新たに増設する冷却水の通り道を確保するため、栓を抜き取ったネジ穴に合うホースフィッティングを取り付ける。ここから、今回取り付ける冷却水フィルターへと流路を構築して行く。

冷却水フィルターでろ過した後の冷却水を「戻す」場所を決める。フロント上部にある冷却水のリザーブタンクへ冷却水が流れ込む入り口に、細いホースがカーブしている部分がある。ピンク色矢印は冷却水がリザーブタンクへと流れていく方向。

この位置で、ホースをカットして割り込みを入れる。

ウォーターポンプからフィルターまで、フィルターから戻り口までの、それぞれのつなぎ目に必要なフィッティング金具とラバーホースを用意する。

いきなりだが、これが完成したところ。黄色矢印がウォーターポンプからフィルターへ入り、リザーブタンクへと冷却水の流れていく方向を示している。赤色の丸の位置、この下側に新たに増設した冷却水フィルターがある(この角度からは見えない)

ピンク色の矢印が、純正の冷却水がリザーブタンクへと流れていく流路。黄色の矢印が、新たに増設して割り込ませたリターンライン。二つの流れは合流し、共に混じってリザーブタンク内へと注ぎ込まれる。

黄色点線が、余りモノの鉄板で自作したブラケット。かなりタイトなスペースだったのでギリギリだが、良い具合に作ることができた。

フィルターへ流れ込む入り口の手前に、手動で流れを遮断できるバルブを設置した。通常、バルブが開いているときは、フィルター内へと冷却水が流れ込んでいくが…

レバーを倒してバルブを閉めるとバルブの位置で冷却水の流れが遮断されるため、フィルターを経由した冷却水の流れる「支流」は完全にストップする。フィルターへの流路が始まる例の「ナゾの栓」が付いていた穴は、流れの順序ではサーモスタットよりも手前の位置にあるため、冬季に暖機運転が必要な状況などではこのようにバルブを閉めておきフィルター経由でバイパスしないようにしておくと、冷却水の温度が早く上昇するというわけ。実際、冬場は閉じっぱなしにしているが、かなり暖機運転の時間短縮に役立っている。

以上の作業工程は実際には3年前に行ったもので、その後3年間の継続使用で自分なりに経過を観察して今回のレポートとした。

悩まされていたウォーターポンプの水漏れ故障もピタッと止まったのには苦笑した。それまでは2年おきぐらいのペースでウォーターポンプASSY交換をしなければならなかったのに、この冷却水フィルターを付けてからは今も同じウォーターポンプを使い続けていて、水漏れ一切なし。

また、冷却水に混じっていた細かなごみがろ過されたことにより冷却水の循環抵抗が減り、エンジンのレスポンス、燃費の向上、ノイズの軽減と良い事ずくめだったため、これは明らかに効果ありと判断。

ウォーターポンプの寿命を延ばすという効果のみならず、冷却水の不純物を取り除き抵抗値を下げたことで、総合的にエンジンへかかる負担が軽減され、まさに私が例のインターネット掲示板で読んだとおり、今後の寿命を大幅に伸ばす素晴らしいチューニングであると思います。

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