DIY 自作と修理 - ヒロシコジマ・ドットコム プロアングラー小島宏がアメリカから100%自作運営する公式サイト。アメリカのバス釣り、バスボート、アメリカンルアー、プロトーナメント情報などを発信

hiroshikojima.com hiroshikojima.com hiroshikojima.com hiroshikojima.com
Advertisements

メニュー



ケータイ・スマホQR

QRコード
スマホ専用ページへ

Advertisements

 

DIY 自作と修理


FORD SuperDuty F250 燃料タンク内部の改良 2013/6/6(木)

長年愛用している私のピックアップ・トラック、フォードF-250スーパーデューティー・パワーストロークディーゼル。

私のピックアップ・トラック、フォードF-250、スーパーデューティー・ディーゼル
写真1 私のピックアップ・トラック フォードF-250 7.3Lスーパーデューティー・ディーゼル

日本で言えば運送用の長距離トラックやちょっとした路線バスに積んであるような巨大な7.3リッターV8ディーゼルターボエンジンのトルクは、バスボートを引きながらトラックキャンパー(RV)を同時積載しても、まだまだ余裕のパワー。古い車だけど気に入っていて、大切に乗っている。
アメリカのバスプロには、どうしてもスポンサー関係の絡みでトヨタやシェビーに乗る選手が多いのが現状だが、そういった自動車関連のスポンサーとは縁の無い選手が自腹で好みのトラックを購入している場合、実はけっこうフォードのディーゼルを選択している人が多いことはあまり知られていない。

ここでこぼれ話:(近年の傾向として、トヨタはアメリカのバスプロに報奨金制度を実施しています。BASSやFLWなど組織の枠を超えて、主な大きな大会での成績優秀者に対して、トヨタが別途賞金を支払うというもの。受領資格として、新車のトヨタ車に乗ってトレイルを回ることが条件となっており、そんな理由で最近は「もし勝ったら金もらえるし」って理由で自腹購入の場合はトヨタを選ぶ選手が最近は増えている。…って知ってました?)


バスボートを引きながらトラックキャンパー(RV)を同時積載
写真2 7.3Lのパワーはバスボートを引きながらトラックキャンパー(RV)を同時積載するためには必要不可欠。

ATトランスミッションも頑丈で、パワートレイン面では全く不満の無い愛車であるが、実はこの年式の7.3リッターには共通の、燃料系の構造に問題がある。
40ガロン(151.2リットル)の軽油燃料タンクを備えているにもかかわらず、残量1/4の時点で「ガス欠」してしまうのだ! 燃料はまだタンク内に1/4残っているにもかかわらず、タンク内に内蔵された燃料ピックアップがきっちり底面まで届いておらず(厳密には底からやや浮いた位置にエア噛みを起こす穴がある)、エアを吸い込んでしまうことで燃料供給が止まってしまうという…早い話が「設計ミス」である。

この車種は既に複数回のモデルチェンジを済ませており、現行型ではもちろん対策が施されていると思われるが、さすがアメリカ、というかケチで有名な?フォード、当時のこの設計ミスに関してはリコール処理はせずに「常に多目の燃料を給油してお使い下さい」というジョークのような超本気のコメント処理のみで、モデルチェンジまでの時間をしのいだらしい…(やるな!)
これがブレーキとか命に関わる部分だったら迷わず即座にリコールするのだろうが、ガス欠?そんなもん、燃料入れたら済むやろが…。で済ますところがアメリカっぽくて、呆れを通り越してなんと言うか…もう痛快です!(笑)

そんな多少の欠点?にさえ目をつむれば、パワー面では現行モデルをもしのぐ歴代Fシリーズの中では最強のエンジンを有するため、アメリカの中古市場でもまだまだ根強い人気車種である。
私も含めてこのパワーストローク7.3リッターを気に入って大切に乗り続けるユーザーはアメリカにとても多い。
そんな「パワーストローク乗り」たちが全米から書き込みを行っている某ウェブ掲示板では、上記のような燃料系トラブルにはじまる様々なフォード・パワーストローク7.3Lの問題点をユーザーレベルで自主解決するアイデアが、まさに文字通り「情報交換」されている。

私もその掲示板をよく覗きに行くのだが、その中でも「これはやる価値があるな」と強く感じた燃料タンク内の問題点をDIYで修復する方法を、実際に自分で遂行してみた。

以下は、そのレポートである。(施工実施は2010年5月)

いきなりですが、トラックのフレームから燃料タンクを下ろします。なにしろ40ガロン(151.2リットル)という容量なので、とんでもない大きさです。

私のF250のタンクは、ポリ容器を分厚くして頑丈にしたような素材で金属製ではないため、重量は見た目ほどではありませんが…。

無事タンクが外れたので一応、記念撮影しときました(笑)。自分の車の燃料タンクを取り外して下ろす経験って、そうそう無いでしょうから。それにしても、やはりデカイ。

もちろんタンクは空にしてからでないと重すぎて取り外しは危険。そこで、純正状態でガス欠寸前まで走行して「もうそろそろヤバイ」という状態まで燃料が減ってから作業に入りました。タンク内に残っている軽油を燃料ポンプで吸い出したら、この量!13ガロンちょっとありました。
この残量=要・給油って…あらためて、ふざけんなとしか言いようが無い欠陥です(苦笑)
あ、そうそう、アメリカの軽油って(笑)こんな派手なイエローに着色してあるんですよ。こんなボトルに入れて置いてあったら、美味しそうな何かの清涼飲料と見間違えそうでコワイ(笑)

燃料タンクの内部に入っている、ピックアップASSYを取り出したところ。燃料計のセンサーと、吸い込み口、および燃料ポンプからインジェクターへ送った燃料の余りが流れて戻ってくるリターンラインが、一体化されています。

タンクの底面に向いてジョウゴを逆さ向きにしたような黒いプラスチック部が、燃料を吸い込む部分。なぜかその吸い込み口よりも上に、ナゾの小さな吸い込み口(オレンジの矢印)が横向きに付いており、液面がここよりも下に来るとエアーを吸い込んでしまう。
このナゾの第2吸い込み口の存在理由は不明で、一説によれば「ガス欠を事前に予告する目的」などとも言われているが、結局エアを吸いすぎて燃料供給が止まってしまうため、予告どころか本格的にガス欠するから、その説も怪しい。「どうせ見えないタンク内だから、単に生産コストカットのため他の車種との共通部品でごまかしている」説が有望だと私は思う…。

そしてさらにその上部には、エンジンルームで燃料ポンプがインジェクターへ燃料を送り込んだ際の「残り」の燃料が、タンクへ流れ戻ってくる「リターンライン」の出口がある。ここからタンク内へ余分な燃料が流れ出るわけだが、その出口の形状がどうもよくない。(ピンクの矢印)
通称「ダックビル(アヒルの口)」と皮肉られているこのプラスチック製吹き出し口、タダでさえ気泡に弱い(あぶくが出ると消えにくい)軽油なのに、わざわざ泡を作ろうとしているかのような形状。そう言えばバスボートのライブウェルについている、ジェット水流を噴出すノズルもこんな形ですな。なんで軽油をわざわざ泡立てるのか…まったく理解不能。おかげで、燃料が減って液面がビミョーな状態のとき、ぶくぶく泡だてて「エア噛み」に追い討ちをかけ、ガス欠をヘルプするという悪循環。

…で、これが対策チューニング「後」の状態!!

燃料の吸い込み口(黒の逆さジョウゴ)の中を、ステンレス製のパイプを貫通させて最も低い位置からのみ、燃料を吸い上げるように変更。

そしてエアを含んだ軽油を再度吸い込んでしまわないよう、リターンラインからの燃料噴出し口をなるべく吸い込み口から遠い位置へとステンパイプで延長して遠ざけてある。出口も丸いパイプ状だから軽油の気泡化はダックビルよりもはるかにマシ。
燃料計のフロートよりも下側へリターンラインの出口を持ってくることで、究極のガス欠ギリギリの時にもリターンラインから出てくる燃料を有効に使うことができる設定。
…まぁ、そんなギリギリ限界まで攻める意味なんか無いから、もっと早めに給油しますがね。

…さて、これでタンク内の燃料が残り1/4なのにガス欠してしまうトラブルは回避されたわけだが、実はこの年式のスーパーデューティー7.3Lには「もう一つの燃料タンク内の欠陥」が存在する。

ここまでのチューニングはいわば「燃料が少なくなったときのトラブル」の原因を改良するものであったが、実は「燃料を満タンにする際のトラブル」も存在するのだ!!ええかげんにせいっ!!

ガソリンスタンドで給油をする際にポンプをロックして流しっぱなしで給油すると、タンクが満タンになって液面が給油口近くまで上がってくる、もしくはエア抜きの細い管からゴボゴボっと噴出してきた燃料がポンプの先端に触れると、安全装置が作動して給油ポンプが自動的に「ガチンッ!!」と止まりますよね?セルフ給油を経験した事がある人はわかると思います。

普通、その状態でタンクの中は満タンもしくは「ほぼ満タン」になっているはずで、そのまま給油ポンプを戻して支払いに移りますよね。
ところが、ノーマル状態のスーパーデューティー7.3Lのタンクでは、3/4ぐらいしか満タンになっていない場合が多い。残りまだ1/4ぐらい追加で給油できるスペースがタンク上部に残っているにも関わらず「吹きこぼれ」を起こしてしまい、ポンプの安全センサーはまるで満タンになったかのような錯覚を起こしてしまうワケ。

つまり、ド・ノーマルのタンクっちゅうやつは…3/4までしか満タンにできないクセに、1/4残っていてもガス欠する、と。
それって、タンク全容量の1/2しか使えるレンジが無い、ということ。40ガロンタンクなのに、20ガロンタンクみたいなもん。
おかげさまで、遠征のときなどはしょっちゅうインターステイト(高速道路)を降りて給油しなければならず、一体何のためのでかいタンクなの?とばかばかしく思ったのは1度や2度ではなかった…。

ではなぜ、3/4の状態で給油口へ「吹きこぼれ」が起こってしまうのかというと…。
給油時のエア抜き目的で設置されているホースの口(燃料タンク内)が、下向きに突き出しているため、液面がまだ低い位置にある段階でエア抜きできなくなってしまう。
結果、タンク内の上部に残った空気が圧迫されて、給油口へ逆流する、という原理。

詳しくは、以下のイラストを見て欲しい。


Advertisements



これが目指すべき対策済み状態。
タンク内のエア抜き口に下向きに出っぱっているパイプ状の部分をカットする。

このラチェット式PVCパイプカッターを、タンク内で操作してザクッと一発でカットする。

先ほどの燃料吸出しASSYを取り付ける前に、エア抜き口のパイプカットのチューニングをやってしまいます。

ちょうど穴から片腕がすっぽり入るサイズなので、ここから肩まで腕を入れて作業します。タンク内で、手探りで出っ張ったパイプの位置を把握し、パイプカッターで根元をザックリとカットします。

カットしたパイプの残骸がタンクの底へ転がって落ちてしまうと、その後救出が困難になる可能性が高いため、カットする前に予め「命綱」がわりにタコ糸を結んだ小型のバイスグリップを挟んでおきます。カット後、命綱を引っ張ると、こうやって残骸が出てくるというわけ。

それにしても、長すぎる。そりゃあ、こんな横長の形状のタンクで、これだけの高さ分だと、10ガロンぐらいの計算になるわな……。車作るときに、カットしておいてくれよ!!
どうせ見えないところは、作業効率アップとコストダウンのため、ほったらかしにするのがアメリカ式の自動車製造業ではおそらく「正義」なんですな…
アメリカ式…つまり、客はあくまでも収入源としての存在であって、一番エライというわけではない。消費者なんかよりも「株主」の利益を何よりも優先するっていう一貫した姿勢です。
車メーカーに限らず、アメリカ社会一般的にその雰囲気はありますね。日本との大きな違いです。

……さあ…これでようやく…
給油時は満タンになり
タンクが空になる寸前まで、燃料を使える

つまりタンク容量40ガロンを目いっぱい使える状態になりました!

…それって、フツーなら他の車では当たりまえの事なんですけど…(苦笑)



明らかに設計ミスによる20ガロン制限をめでたく突破して、さっそく走ってみると40ガロンでの長距離航続可能メリットは想像以上の楽チンさ。
…何度もいいますが、あたりまえのことなんですけどね。

さらに、タンク内へ余分な燃料をリターンする際の出口を吸い込み口から遠ざけるために、ステンレスパイプで横向きに延長したことにより、燃料ポンプへの吸い込みの際、気泡が吸い込まれる量が激減したらしく、エンジンのインジェクターノイズが大幅に低下したのが、アイドリングや走行時に聞こえる音でも明らか。
燃料インジェクターの寿命もこれで延びるだろうし、ディーゼル車の欠点でもある振動とノイズが減るというのは大きな副産物。
インジェックターから噴出す噴射も安定化したためだろうか、若干燃費も向上したような感じで、良いことずくめ。

大変な作業ではあったが、一度やってしまえばあとはずっと効果の恩恵を受けられるし、燃費向上のメリットはこの後に乗れば乗るほど得られるわけで、ますます今後も乗り続ける気になりました。
むしろ、もっと前に早くやっておけばよかったと後悔するほど、完成後の満足度が得られるチューニングでした。

はてなブックマークに追加

Advertisements

HiroshiKojima.com consists of Japanese language only.
Copyright ©2003- HiroshiKojima All Rights Reserved.
No articles, images or logos contained within this site may be used without the expressed written permission of Hiroshi Kojima.
小島宏が発行した許可書を有する場合を除き、このサイトに掲載している記事・画像・ロゴの無断使用は堅く禁じます。